映画【BALLAD 名もなき恋のうた】を今回は紹介。あらすじ・結末・見所・気になる考察についても考えました。
映画【バラッド 名もなき恋のうた】あらためて観るとおすすめできる作品
主人公となるのは小学生の真一です。彼は、大きなクヌギの木のもとに何かが埋められているのを発見しそれを掘り起こします。その瞬間、真一は戦国時代にタイムスリップしてしまうのです。
そこには鎧を身に纏った武者たちの集団がいました。それをこっそりと狙う火縄銃を持った人を見つけ、声をかけるとびっくりして逃げてしまいました。どうやら、又兵衛を狙っていたようでした。
又兵衛は、真一を城に連れて帰ります。そこには、真一の夢の中で何度も登場した廉姫がいて驚きます。
一方現代では、真一の両親が子どもがいなくなったため、探しますが。大クヌギの木の下で、戦国時代に真一が書いた手紙を発見し、歴史を調べてかつて、合戦にて真一一家が活躍することを知り、両親も戦国時代にタイムスリップします。
その後、又兵衛たちは合戦をしますが、真一一家の自動車の力を利用して、又兵衛は合戦に勝つのです。しかし、最後には又兵衛は、銃で撃たれて死んでしまう切ないストーリーです。
結末は?ネタバレ注意
なぜだか毎日、お姫様が夢に出てくることを真一は不思議に思っています。そんな時に、近所の大クヌギの下に、埋められていた木箱を発見します。それを手にした瞬間、真一は気を失ってしまいます。目覚めると、そこにはクヌギがなく、周囲にあったはずの住宅街もありません。
そこで、又兵衛率いる鎧武者を発見し、自分がタイムスリップしたことに気づきます。その時、又兵衛は火縄銃で狙われていましたが、真一が声をかけることで結果的には又兵衛を助けたこととなります。
その後、又兵衛は真一を城に連れて帰ります。真一は携帯電話などを見せて未来から来たと主張しますが、誰も信じるわけがありません。
しかし、そこへ廉姫が登場し、そのお姫様は真一が毎日のように夢で見ていたお姫様でした。そのことを、廉姫に伝えると、廉姫は又兵衛に真一の世話をするように申し付けるのです。
また、又兵衛と廉姫は幼なじみで、密かにお互いを思い合っていることを真一は察します。 一方、真一がいなくなったことを知った真一の両親は、又兵衛の提案によって真一が書いた手紙を見つけます。
歴史を調べた上で本当に真一が戦国時代に行ったことを知るのです。両親も大クヌギの下で自動車に乗ってタイムスリップすることを祈ります。すると、両親もタイムスリップして、真一と再開するのです。
戦国時代でしばらく過ごしていると、高虎という大名が廉姫に対して結婚を申し込みに来ます。
結果的には、廉姫は高虎との結婚を拒否するのです。そのことが原因で高虎と又兵衛の間で合戦が繰り広げられることになりました。合戦もピークを迎えると、又兵衛は命がけの作戦を決行しようとします。
又兵衛と廉姫の二人は愛し合っていることを知っている真一は、又兵衛に対して、「(廉姫のこと)これでいいの」と訴えかけます。そして、又兵衛と廉姫は抱きしめ合いお互いの気持ちを確認し合います。
しかし、又兵衛の命がけの作戦は決行されました。真一の家族に対しては、「避難して元の世界に戻るがよい」と又兵衛は言うのですが、合戦の様子を遠くから見ていた真一は、又兵衛を助けに行こうと言い始めるのです。
真一の父親は、車を運転して相手を威嚇し、高虎がいる場所まで又兵衛を連れて行きます。そこで、1対1の戦いが繰り広げられ、又兵衛が勝つことになります。
通常、合戦に勝った際には相手の首を打ち取るのが通例ですが、真一が「もう、ゆるしてあげようよ」と又兵衛に迫るため、又兵衛は首を切らずに、曲げを切って高虎を生かしてあげました。
勝利の雄叫びとともに、又兵衛一行は城に戻るため歩き始めます。その様子を高台から見ていた廉姫大きく手を振って迎えようとします。その時に銃声がします。又兵衛は胸を撃ち抜かれ死んでしまいます。死ぬ間際には真一に脇差を託します。
最後に、真一一家は大クヌギの前で、タイムスリップして元の世界に戻りますが、その様子は廉姫により見守られました。無事、現代に戻った真一一家は、戦国時代にあった城があった山が残っていることを知ります。
その山に登ると、廉姫からのメッセージが記載された石碑がありました。そこには「ありがとう」と書かれていました。真一はこの体験を通して一段とたくましくなったのでした。
見どころは大合戦
この映画は、タイムスリップものとなっていて、戦国時代にタイムスリップした真一がその体験を通して徐々にたくましくなっていくところが見どころです。また、真一はコミカルな一面もあって、又兵衛と廉姫の二人の中をからかったりなど、お茶目な一面も見せてくれます。
また、真一が臆することなく、戦国時代の人たちと交流して、戦国時代の人たちからどんどん信頼されていくプロセスも見どころの一つです。成長したのは新一だけではありません。
真一の父親も徐々に男らしい一面を見せ始めるのです。いちばんの見所は又兵衛と高虎の合戦のシーンで、この時には、最初は臆病であった、真一の父親が張り切り合戦の中に車で割って入るところは見応えがあります。
この時には、真一の父親もどことなく嬉しそうな顔をしているのです。合戦に勝った時に、真一の意向を受けて又兵衛が高虎の首を討ち取らなかったところも感動的でした。最後には、残念ながら又兵衛が殺されてしまうという切ない味わいも感じされてくれる映画です。
又兵衛は、誰に打たれて死んでしまったのか?
いったい、又兵衛はどこから誰に撃たれたのでしょうか。映画を見る限り狙撃手などは見つかりませんでした。これについては、タイムトラベル映画にてよくテーマとなる、「タイムパラドックス」が適用されたのではないかと考察します。
戦国時代に来た真一は初日に、又兵衛のことを火縄銃の狙撃者から守っています。実は、その時又兵衛は死ぬはずの運命だったのではないでしょうか。又兵衛の運命を変えたため、タイムパラドックスさ用が働き、結果的に又兵衛は必ず死ぬ運命だったことが想像できます。
戦国時代になぜクヌギがなかったのか
それは、映画の中でも描かれています。現代にて真一はクヌギの実を拾っています。戦国時代にタイムスリップした2日目に、真一自らその実を植えたため、それが成長して現代には大クヌギがあるのです。このクヌギは戦国時代に真一が良心に向けて書いた手紙の目印にもなりました。
まとめ
基本的にはタイムスリップなどのSFが好きな人に向いていますが、戦国時代に興味がある人にもおすすめです。戦国時代にどんなことがきっかけで、どのように合戦が行われるのかが詳細に描かれています。また、又兵衛と廉姫の恋物語でもあるため、恋愛モノが好きな人にもおすすめです。
なお、真一が主人公であり、その家族愛なども描かれていますので、家族で一緒に見ても楽しめる映画に仕上がっているのではないでしょうか。このストーリーは、クレヨンしんちゃんの「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」が原案ですので、子どもにもわかりやすい映画だと思います。